休憩と呼吸の良い関係
東大のQK研究
2022.12.27
#東大の研究
#呼吸と休憩
東大の伴先生に「呼吸とクッションの研究」について、話を聞いてみました。
伴先生と対談するQKさん
【結論】
・・・からいうと、 呼吸の動きと似た動きをするクッションで、呼吸リズムをコントロールし、休憩の質をあげることができると伴先生は考えているそうです!!
【目的】
休憩の質をあげるデバイスをつくることを目的に「呼吸とクッションの研究」を行っている伴先生。 この研究で注目した点が「呼吸リズムのコントロール」。それは古くから太極拳やヨガなどに取り入れられているように、呼吸を自分でコントロールすることによって心身をリラックスさせられるということが知られていて、これまで多くの研究者によって色々な研究もされていたことから、注目したのだそうです。
呼吸について話す伴先生
ただ、呼吸の価値を頭でわかっていても、実際に自分の呼吸を意識して行うことはなかなか難しいものです。 そこで、この研究でさらにもう1つ注目した点が、触れているものの動きに呼吸リズムが引っ張られる「呼吸の引き込み現象」だったのです。 呼吸の動きと似た動きをするクッションを抱えるだけで、クッションの動きにつられ、理想的なリズムの呼吸が自然とでき、結果いい休憩につなげることがこの研究の最終目標なのだそうです。
研究用の呼吸誘導型クッションデバイス
【実験&結果】
呼吸の動きと似た動きをするクッションによって、本当に理想的なリズムの呼吸を誘発できるか、それにより休憩の質はあがるのか。さらには、その後の作業にどのような影響を与えるのかを調べることを目的とした実験をしたそうです。 被験者に「動かないクッション」と「呼吸の動きと似た動きをするクッション」を渡し、実験に参加してもらったところ、呼吸の動きと似た動きをするクッションのほうが、リラックスでき、ストレスが軽減できることがわかりました。つまり休憩の質が良かったのです。
実験のイメージ
実験のイメージ
さらに、クッションの動きにいくつかパターン(速度(ゆっくり/ふつう/はやい)と深さ(ふかい/あさい)という2パターンずつ)を用意して実験をしたところ、「ゆっくり」「ふかい」というリズムのほうが、クッションを持っている人の呼吸リズムをコントロールしやすいことがわかったのです。 休憩後の作業の効率も、おそい呼吸のパターンのほうが、はやい呼吸のパターンより良い結果だったとのことです。この実験結果を踏まえると、呼吸の動きと似た動きをするクッションで呼吸を整えることは可能で、さらにはその後の作業のパフォーマンスをあげることも可能であると伴先生は考えているそうです。
今回の実験で得られた結果は、シンプルなタスクの作業効率についての実験結果であったため、今後は、違うタスク(たとえば力仕事や複雑な仕事など)でも同様の結果が得られるのかを調査していく予定とのことです。
伴 祐樹 特任講師 プロフィール写真
取材先
東京大学 大学院新領域創成科学研究科
伴 祐樹 特任講師