休憩する意味を考えると、
もっといい休憩ができる。
滝澤さんインタビュー #2
2023.4.18
#滝澤祐一
#インタビュー
#野球と休憩
#アスレチックトレーナー
いろいろな専門家に話を聞きながら、
休憩について研究していくシリーズの第2弾。
今回はなんと!
メジャーリーグでアスレチックトレーナーをしている滝澤祐一さん!
野球と休憩にもふかい関係があるのだとか。
全3回。 ぜひおたのしみください~。
QKさん
シーズンを通しての休憩との向き合い方をお聞きしましたが、1日のなかでもルーティンというものもあるのでしょうか。
滝澤さん
試合前は6時間前に集合するのですが、その中で練習する時間は90分ほどなんですね。ミーティングも10分くらい。じゃあ他の時間でなにをしてるかというと、コンディションを整えるための自分たちの時間にしているんです。
QKさん
その時間が4時間も!?
滝澤さん
一人一人リカバリーの方法が違うので、時間に余裕を持って仕事をしようという設計にされてるんですね。タイトなスケジュールだと、こなせたとしても、結局ストレスになってしまう。拘束時間は長いけど、その中で余裕をもって仕事して、でもだからこそベストを出す。ってふうにやってます。
QKさん
たしかに時間がタイトだと「こなす」って意識が強くなって作業になってしまいそうですね。一人一人リカバリー方法が違うと言っていましたが、選手たちはどうやってみつけているんですか?
滝澤さん
本当に一人一人全然違うのですが…、たくさん会話をしてそこからの発見をメニューに活かすとか、あとはこちらからこれを試してみたらという提案とかもしてますね。
QKさん
この人のリカバリーおもしろい!って思うものってありますか?
滝澤さん
瞑想する人がいますね。瞑想は呼吸をすごい整える行為なので、精神的に無になれる。5分を2セットやってるのですが、その間に氷風呂にも入って、しっかりと交感神経と副交感神経を切り替えるってことをしてる選手がいます。
QKさん
かなりパキッとメリハリをつけてるんですね。
滝澤さん
そういう選手は多いですね。だらだらする人はいなくて、長くて30-40分でリカバリーをしてる。それ以外では食事したり、ゆったり過ごしたり。
QKさん
休憩の捉え方がそもそも違うのかもしれないですね。「食事」や「ゆったり過ごす」がまさに休憩というイメージでした。けど、そうではなくて、回復というゴールは同じだけど、そこまで意識して「戻す」という発想のほうがきっと近いのかも。その考え方もすっごくおもしろいですね。
滝澤さん
そうですね。休憩が目的ではなくて、あくまで手段という考え方なのかもです。だから、「なんで」と意識することが大事なのかもしれませんね。
QKさん
滝澤さんが本日「リカバリー」っていう言葉をたくさん使われてるのも、休憩をそういう位置づけにしているからなのかもですね。ちなみに、そういうリカバリーが上手な人は、シーズン中のパフォーマンスもいいのでしょうか?
滝澤さん
そうですね。いま(2022.9月時点)もうシーズン終盤なんですが、リカバリーの方法を確立している人は、いまでも疲れていないですね。感覚的にやってる人は、怪我だったり疲れだったりがやはり出てきていて、そういう人にルーティンはなんなのって聞くと「持ってない」って答える人が多いですね。
QKさん
ちなみに、アメリカで最近トレンドになってる休憩方法とかってあるのでしょうか?
滝澤さん
トレンドかぁ…。トレンドではないですが、とにかくみんなしゃべってますね。仕事の話はそんななくて、雑談というか…。あとはこまめに休んでますね。50分やって10分休んでって、小学校の時間割みたいに。あの働き方ができれば、日本ももっと効率的な働き方ができる気がしますね。
QKさん
先日、脳科学者の茂木さんにインタビューした時も雑談がとてもいいと言っていました!それはスポーツのトップ選手でも共通してるんですね〜。
滝澤さん
しゃべってリフレッシュをしてる印象はすごいありますねー。僕自身選手たちにも、なんでもない雑談をしにきてくれてもいいんだよって伝えてますね。
QKさん
時間はしっかり区切るっていうのも、日本は「終わり」の時間のルーズなので、もしかしたらすごく大事な考え方かもしれないですね。会社に学校みたいな時間割を導入するとかも、ちょっとおもしろそうです。どうしたら日本でもっと休憩の価値が伝わっていくと思いますか?
滝澤さん
まだ休憩をネガティブに捉える人が多いですが、そうではなくて、仕事や作業の一部であると思えるようになることですよね。仕事の合間に休憩に行くとかサボってるように見えるけど、実はああいうなにもしない時間っていうのが、仕事のパフォーマンスにつながってると思うので。
やるときはやる。休むときは休むというメリハリが浸透していくといいですね。
QKさん
日本とアメリカ両方で過ごして、滝澤さんの心身になにか変化あったりしましたか?
滝澤さん
アメリカでもストレスはもちろんあります。それは繊細な仕事ってこともあり、すごく張り詰めてしまうので。ただ、日本にいたときに感じていた、窮屈さみたいなのは感じなくなりましたね。
QKさん
いい緊張感はあるけど、ネガティブなものではないんですね。そんななかで、滝澤さんはどう休憩してるんですか?
滝澤さん
やっぱりメリハリですかね。書類整理などもけっこう多いのですが、すごい時間かかるんですね。なので30-40分でタイマーつけて、終わってなくても中断して、散歩したり雑談したりして、また再開するってふうにやってます。
QKさん
タイマーで区切るのいいですね!ぼくはダラダラと仕事してしまうので、マネしてみようかな…。ほかにも意識してることってありますか?
滝澤さん
空気を変えることですかね。仕事してた部屋と違う部屋に行ったり、外に行ったり。特に自然に触れて、日当たりいいとこ行って、冷たい空気を吸うのが好きですね。
QKさん
冷たい空気なんですね!笑 五感を使うといいってことは、茂木さんもおっしゃっていて、本当に共通する部分が多いですね。
プロフィール
MLBテキサスレンジャーズ
アスレチックトレーナー
アスレチックトレーナー
滝澤 祐一