
HIKO•KONAMIIが導く
音と呼吸で整う体験
呼吸と休憩#3
2025.10.9
#呼吸と休憩
#インタビュー
休憩している“つもり”でも、なかなか休まらない現代人に「意気込まずに、頑張らなくても、無意識に近い状態で心やからだが休まる休憩」を届けたい。
サウンドセラピストのHIKO•KONAMIさんと、休みの価値を通して心の豊かさを届けるD-LABの想いが重なり、六甲山で体験型イベント「呼吸する休憩所×HIKO•KONAMI」が開催されました!
イベントを振り返りながら、音と呼吸がもたらす可能性についてHIKOさんにお話を聞いてみました。

なかなか安らげない日々に、なぜ「サウンドバス」なのか?
イベントで実際にサウンドバスを体験してみると、深く呼吸できて、寝落ちしそうなくらい心地よくなりました。
どうして、サウンドバスを体験すると深く呼吸できるのでしょうか?
「私たちのからだには様々な振動があります。呼吸・脳波・心拍には、それぞれ固有の振動数が含まれているんです。それらがサウンドバスの音の振動に合わさると、無意識のうちに深い呼吸やリラックス状態へ導くと考えられています」
サウンドバスは、身体全体で音のシャワーを浴びるような意味で『音浴』ともいわれるそうです。音は空気振動として耳に届くだけでなく、水分や毛細血管を微振動させるため、全身の感覚に意識が向き、普段気づきにくい心やからだの状態にまで気が付きやすくなるとのこと!

HIKOさんがサウンドバスに出会ったきっかけも教えていただきました。
「ニューヨークでの音楽の勉強がきっかけでした。ヒーリングや心のケア、魂の浄化として音楽を学ぶなかで出会ったのがサウンドバスだったんです。心地よく、人を選ばずに誰でも体感できる。そうした敷居の低さに魅力を感じ、日本でももっと広めたいと思いました。
本来、音楽はただ聴くだけでなく、祭りや儀式を通じて自然や不思議な力とつながったり、ひとの心の深いところに響いて意識を高めたりする役割もあったはず。ですが、現代では“聞く”だけの消費的な扱いが主流で、“癒し”の一面が薄れていると感じます。サウンドバスを通じてそこに立ち帰るきっかけをつくれたら…という思いも、活動する理由のひとつですね」
サウンドバス×fufulyで、深い没入感を味わう

「呼吸する休憩所」とのコラボレーションに、HIKOさんはどんな面白さを感じたのでしょうか?
「fufulyとサウンドバスには親和性があり、コラボしたら面白いだろうと感じたからですね。サウンドバスの体験ではとくに、“音の振動を感じる”心地よさを知ってほしいんです。自分自身の周波数が音の振動と同調し、一体になるような感覚は、普段の生活ではなかなか得られませんから。
fufulyはそれに似たところがありますよね。まるで生き物のように緩やかにふくらんだり縮んだりすることで、fufulyを抱いているとその動きに呼吸が合わさり、深い呼吸を誘います。
今回のコラボでは演奏中、fufulyを参加者のみなさんに抱えてもらいサウンドバスを体験してもらうことで、より深い没入体験を提供できるのではと興味がわきました」
今回のイベントでは、体験した方々の反応もさまざま。とくに印象に残ったのが、多忙な毎日を送るお母さんとその子どもたちのグループだったそう。


「最初はすごくそわそわされていて、ちょっと緊張しているのかなと思ったんです。でも、セッション後には『すごく気持ち良かったです』という声が聞けて、大人も子どもも、心身ともに深くリフレッシュできた様子でした。子どもたちは最初から最後までfufulyを抱きしめたまま自然と深い呼吸ができたからか、すやすや寝ている子もいましたね」
体験した方からは「楽器の原音が非常に心地よかった」という感想も。録音・加工されず、目の前で奏でられる音に心地よさを感じるのも、理由があるそうです!
「録音された音って、耳で捉えることができない振動はカットされてしまうんです。だけど、生演奏だと音の振動まで肌で感じられるので、心地よさにつながります。からだ全体が音に包まれるような感覚を得られる。それが、特別な没入感につながったのではないでしょうか」
「音」と「呼吸」を取り入れた“休憩”で、日常を豊かに

日常生活の中でも、サウンドバスのように「音」や「呼吸」を取り入れた休憩は活用できるのでしょうか?
「生演奏ほどの没入感を得るのはなかなか難しいですが、日常で取り入れるなら音楽配信サービスなどで配信されているサウンドヒーリングの音源や、環境音楽とも呼ばれるアンビエントミュージックなどもありです。ぜひ、ぼーっとして静かな音楽を聴く時間を設けてください。音楽ではなくても、外から聞こえる音に耳を澄ませてみる、自分の呼吸に意識を向けてみる、そうした手を止めて音に意識を傾ける時間をちょっと持つだけでもいいんです。心地よい休憩につながると思いますよ」
HIKOさん自身、“音と呼吸”を意識した休憩を、さまざまな場面で体験できるよう活動しています。
「今って大人から子どもまで、頭ばかりが忙しくなっていますよね。そのせいで、知らず知らずのうちに、からだの反応に鈍感になってしまい、気付けばストレスや体調不良におちいることもあるでしょう。だからこそ、“全身で感じる経験を取り戻す”時間が必要だと思っています。これからも、子どもから大人まで、より多くのひとが気軽にそのような時間を持つ、きっかけをつくっていきたいと思っています」

音と呼吸に耳を澄ませるだけで、思考が静まり、身体中の感覚が目覚めていく。不思議な体験を通して、HIKOさんは「感じることの大切さ」を思い出させてくれました。
特別な技術や環境がなくてもいい。まずは、今日この瞬間から自分の呼吸に、耳をすませてみてください。