休憩するために、働く。 と考えてみる。
茂木先生インタビュー #3
2023.3.14
#茂木健一郎
#インタビュー
#脳科学と休憩
いろいろな専門家に話を聞きながら、 休憩について研究していくシリーズの第1弾。 脳科学者の茂木健一郎さんに話を聞いてみたよ。 どうやら、脳と休憩はすごく関係があるのだとか。 全3回。 ぜひおたのしみください~。
リード文 QKさん
QKさん
日本社会って、なんだか休憩が苦手だなーって思うのですが…
茂木さん
いや、もともと得意だったんだけどねー!
QKさん
え!?
茂木さん
だって、どこにいってもお茶を出したりして招いて、そこから休憩が始まってた。
QKさん
たしかに、井戸端会議とか、お買い物中の合間の休憩ですもんね。いつから苦手になってしまったんでしょう?
茂木さん
コストパフォーマンスとか効率とかって、みんなが言い出すようになってからじゃないかな。
休憩と脳の関係について話す茂木先生①
QKさん
そう考えると、日本だけじゃなくて、世界的にも同じなんですかね。スペインのシエスタ(昼の2~3時間の長い休憩のこと)がなくなる、なくならないみたいな話が出てきたりもしてましたし…。
茂木さん
どうなんだろうねー。でも、世界的企業はうまく休憩してるよね。アメリカの某IT企業にいったときに、みんな雑談してた。うまく回ってるIT企業は休憩スペースを上手に設計してますよね。
QKさん
なるほどー。とはいえなんですが、時代としてどうしても効率が求められるなかで、雑談とか休憩の時間をとるってむずかしいなと…。無駄と思われそうで…。
茂木さん
いや、メリハリが大事。仕事をしてるときはものすごく効率を追求して、休憩のときは思いっきりオフにする。中途半端にしないで、両方成立させていくことが大事なんじゃないですかね。
休憩と脳の関係について話す茂木先生②
QKさん
いい休憩方法として、散歩とか雑談とか五感を使うってことがありましたが、なにか上手に両立するための休憩アイテムってあったりするのでしょうか。
茂木さん
デジタル全盛の時代だからね、リアルなものがいいよね。
QKさん
リアルって五感ですもんね。誘導したわけではないのですが、いま実は、QKOKプロジェクトであたらしいクッションを開発してまして…。
茂木さん
クッション?
QKさん
「呼吸の引き込み現象」というものに注目した「呼吸するクッション」というアイテムなんですが、これを抱いてると深い呼吸ができるようになるんです。
fufulyを抱えて話す茂木先生
QKさん
なにかこういうアイテム使って休憩されることあります?
茂木さん
昔、中国の文人は「清玩」という鑑賞用の物を机の上においといて、休みのときに眺めてたらしいのだけど、それが好きで。ぼくは、勾玉とか地球儀とか蝶の標本とかガチャガチャの小さいフィギュアとかを机の上において眺めたりしてるよ。
QKさん
そういうものも、スクリーンから離れるきっかけになりますしね!なにより、好きなものって眺めるだけでたのしい気分になりますし。そういう机の上に乗せておく休憩アイテムも、このプロジェクトでやっていくのもおもしろそうです! 最後に、休憩のよさをもっと世の中に届けていくことについてどう思いますか?
茂木さん
考えかたを変えるとかどうかな?人生は休憩するためにあるって。だからこそ、一生懸命働く。デフォルトネットワークも、ずーっとなんもしてなかったらいい方に働かない。一生懸命働くから休憩がたのしくて、それが、休憩が人生の目的になるってことなんじゃないかな。
茂木先生と記念撮影
QKさん
普段僕らは、土日の休みも、週明けの仕事にむけてなんだが使ってしまってる気がします…。逆に捉えられたら、土日の休みにむけて平日働くっていうふうに考えをシフトするだけでも、変わってくるかもしれないですね。
茂木さん
よく働く人の休憩ってたのしそうだよね。
QKさん
ぼく自身、オンオフが苦手なので、意識していきたいと思いました…!
茂木さん、ありがとうございました〜。たくさん休憩について聞けて、すごく勉強になりました〜。